仙台高等裁判所 昭和27年(う)607号 判決
原判決挙示の証拠を綜合すれば被告人は昭和二十七年二月八日午前三時半頃から午前五時頃迄の間青森県上北郡大三沢町本町一丁目佐藤利男方に侵入し窃盗をはたらいたが家人に発見されて同家表入口まで追跡され自転車に乗つて逃走したところ被害者から直ちに大三沢地区警察署へ連絡したので間もなく現場から程遠からぬ同署前路上において警察官松原末次郎外一名の為め現行犯人として逮捕されようとしたものであること及びその際被告人は盗品を所持し且つ犯罪の用に供したバリ一挺を所持していたことは明白である、また現行刑事訴訟法の下においては旧法におけるが如く現行犯人が必ずしもその場所に在ることを必要とするものではなく本件のように犯行時と逮捕時とが時間的に接着して居り、しかも犯行現場の附近において逮捕されようとしたものであるから右松原警察官等が之を逮捕しようとしたのは所謂現行犯逮捕に該るものと認め得られるのみならず、その際被告人が松原警察官に対し加えた暴行の程度は反抗を抑圧するに足るべき程度の暴行と認められる。従つて原審が被告人の右行為を準強盗傷人と認定したのは相当である。